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校友会岩手県支部だよりvol.10 ヴァイオリン&ピアノデュオSekiRei

今回は「ヴァイオリン&ピアノデュオSekiRei」を結成し県内を中心に幅広く活動なさってる伊禮しおり(ヴァイオリン)さんと関和歌子(ピアノ)さんに盛岡市内でお話を伺いました。


——–本日はお忙しい中、ありがとうございます。早速ですが、ヴァイオリン&ピアノデュオSekiReiの活動についてお伺いできますか?

はい、私たちはヴァイオリンとピアノのデュオで活動しています。活動の中で多いのは、文化庁の復興支援事業である「文化芸術による子供育成総合事業」に参加していて、学校などの芸術鑑賞で演奏をするお仕事です。また、自分たちのコンサートでは、親しみやすいクラシックの曲を中心に構成し、皆さまにリラックスして聴いていただけるようにと、曲紹介やエピソードなどお話をしながら演奏しています。
HPに掲載していただいたように、今年の7、8月には滝沢と遠野でデュオコンサートを開催しました。

——–SekiRei(セキレイ)としてどれぐらいの期間活動していらっしゃいますか?

だいたい5年ほどになります。最初に共演したのは、2018年に校友会コンサートにゲストで来てくださった木野雅之先生(ヴァイオリン)と、伊禮と関の3人で演奏をした時です。本当に光栄な機会でした。その年のうちに、県立美術館でコンサートをしたり、他の方とトリオを組んで県内を回るなどして、共に演奏することが増えて行きました。
私たちは大学の同期ですが、2015年の校友会コンサートの時に再会しました。それ以前はお互いに岩手県内にいることを知らなかったので本当にびっくりして、涙、涙でした。その時、いつか何か一緒にできたらいいねと言って別れたんですが、本当にこうしてデュオコンサートをするようになるとは当時は思っていませんでした。

——-その後、本格的にお二人での活動が始まるわけなんですね。SekiReiのネーミングはどこから?

ローマ字にするとすごくわかりやすくて、Seki・Irei、をつなげてセキレイなんです。

——???なるほど!。考えた人凄い。

文化庁の事業のコーディネーターの方が名前をつけてくれたんです。なるほど!と嬉しかったですが、それからあわてて、セキレイってどんな鳥だったかなと検索して写真を確認しました(笑)
自己紹介の時も、「関と伊禮でセキレイです」って言うと、なぜか幼稚園児でも笑ってくれます。

———学校などでの生徒さんたちの雰囲気はいかがですか?

楽しい雰囲気でやれていると思います。はじめのうちは生徒さんが緊張していることもありますが、そこは年の功でほぐして行き、だんだん盛り上がって、最後に生徒さんたちと一緒に歌う頃にはすごく声が出ていて感激します。楽器体験も楽しい交流になっていて、とても喜んでもらっています。

——-復興支援に関わる活動もなさってるんですよね。そのあたりもお伺いできますか?

私(伊禮)にとっては、岩手フィルの活動ですね。震災後に20年でプロのオーケストラを目指そうと立ち上がったと聞きました。震災一年後洋野町での復興応援コンサートが最初だったと記憶しています。オケメンバーは県内のヴァイオリンの先生や全国からプロの演奏家の方々に来て頂いて。その時、ずっと続けてこれたヴァイオリンで復興に関われることをとても幸せに感じました。文化庁の支援で県内各地復興支援演奏会や、定期演奏会もできるようになり、滾々と流れる復興支援事業の力を感じています。
私(関)にとって、震災の時期は色々考えたり見直したりするタイミングで、その後に演奏活動に踏み切ることになりました。当時は音楽で復興支援に関わる術がなかったのですが、リサイタルでは最後に「花は咲く」を演奏していました。その後、お誘いを頂いたのが現在参加している文化庁による復興支援事業だったので、やっと自分も関われると思いありがたかったです。

——-コロナ禍は大変だったかと思いますが、その間音楽活動に思うことはありましたか?

私(伊禮)の場合、オーケストラ演奏や室内楽での依頼、パーティー演奏等ほぼキャンセルになり、震災後と同じ不安がよぎりました。でも、今は何をするべきかと思い、いつかまた皆さんに聞いていいただける時のためにと大量のスケールとエチュードに取り組んだ時間は貴重だったと思います。
(関)そんな中でも、地元デュオとしての引き合いがあった分、私たちは比較的活動の場があったという印象があります。

——-お互いデュオとして活動するようになって何か変わりましたか。

はい、おかげでとても活動の場が広がりましたし、楽しさが増えました。真摯に音楽に向き合うパートナーができたことは、とても心強いです。

———セキレイの演奏を聴いた皆さんの反応はいかがですか?

大変喜んでいただいていると思います。来てくださる皆さまに心から楽しんでほしいという気持ちですし、自分たちが音楽をすることが心から楽しいので、それが伝わって、コンサートを聴いて元気になっていただけたらと思っています。

——このサイトはいろんな方が見てくださってると思います。特に音楽アーティストを目指している学生や現役の方へ向けてご自身の学生時代のご経験など含めてアドバイスなど頂けますか?

とてもアドバイスできる身の上ではないですが、、
私(伊禮)は学生時代は必死すぎて暗中模索状態。上手くいかない時代でした。だからこそ今言えるのは、やっぱり自分が何を誰から学びたいのかを明解にすること、自分をよく知ることが大事だったなと今更ながら感じています。憧れでもいいのでそれに向かって勉強していくのが一番いいのかなと思っています。それとやはり基本練習は1番大事ですね(笑)
私(関)はどちらかというと学生時代が充実し過ぎていたくらいだったので、卒業後の人生の現実を受け入れるのが難しく、音楽に関しては長いことつらかったです。でも全ては自分次第で、どのように仕事をするか、どんな人生にするか、現実的な選択のくり返しだと思いますが、怖くても自分のやり方を見つけて表現していくと、ありがたい出会いもあったりして、少しずつ望む方向につながって行くな、と感じています。

——今後のお二人の予定、目標などお聞かせいただけますか?

クラシックの楽しさを伝えたいという思いを軸に、その時その時で、あ、こういうのがいいな、これをしてみよう、と思う作品や、演奏の機会というものを、二人で実現して、それをずっと続けていけたらいいなと思います。関わっていただいた全ての皆さんへの感謝の気持ちを忘れず、一つ一つ頑張って行きたいと思います。

——今後のお二人の活動、本当に楽しみにしております。本日はありがとうございました。

(伊禮)(関)こちらこそありがとうございました!