校友会岩手県支部だよりvol.6コロナ禍に思うこと〜 佐藤 充子
本日は東京音楽大学岩手県支部の事務局長 佐藤充子さんにお話をお伺いいたしました。
今回もオンラインの形でインタビューを行いました。
コロナ禍に思うこと 〜 佐藤 充子
ご無沙汰しております。コロナが始まってから2年ほど…でしょうか、直接お会いすることが叶いませんがいかがお過ごしでしょうか。
音楽活動で変化はありましたか?
人と人とのつながり、人の暖かさを感じることが本当に少なくなってしまいました。いつもマスクですし、人と顔を合わせて手を取り合ったり、直接的なコミュニケーションが積極的に行える世の中では無い事が、本当に悲しいですね。
でも正直、私が行っている活動の「音楽を届ける」ということで喜んでもらう、そしてつながりの輪を広げていく活動はコロナ前と後で何も変わっていません。いろいろ動いていますよ☺️!!!伝える「かたち」は違えど、届ける事、人の心に寄り添える音楽はどんな時代でも必要不可欠ですから。
本当にその通りです。ただ、あまりにコロナの影響が大きく、特に学生さんたちは将来のビジョンがたてられず、ふさぎこんでしまっている‥なんていうニュースもよく目にします。学校の授業も地域差や感染状況によってはほぼ対面授業が行われず、オンライン授業のみで友達とのつながりも希薄にならざるを得ない状況下ですよね。
我々音楽家としても、オンラインに対応出来るよう、レッスンや演奏会など取り入れ始めてはいますが、充子さんはオンラインに対しての取り組みはいかがでしょうか?
夢と希望を持って学校へ入学された学生さん達にとっては辛い時ですよね。そんな中でも、積極的に語学のレッスンを取り入れたり、自分達が出来るオンラインでの配信をされるのはアフターコロナに向けて、様々な活動を知ってもらうきっかけとなり、あの方のあの音楽を生で聞きたい!と思ってもらえる良い活動だと思います。
でも私はやっぱり「生」の音楽が良いです。人のぬくもりが感じられる、あったかい雰囲気というのは、やはり人が同じ空間に集まってコミュニケーションを取ってこそできる、かけがえのない尊い時間だと思います。陸前高田での校友会コンサートも感動で涙でしたよね。すごく印象に残っています。
あの時はこんなパンデミックが起きるとは、夢にも思わなかったですよね。今後はいろんなかたちを模索して演奏会を企画運営する必要がありますが、企画してからも、政府からの要請等が変わったり、いろんなご苦労もたくさんおありだとは思いますが、何故そんなに精力的に前向きに動けるのでしょうか。
むしろ、この状況の中だったら、どんなことが出来るかな…と考え、模索していくことで、新しいアイディアが浮かんでいくのがすごく楽しいです。その過程の中で自然とポジティブな気持ちになれたり、夢が膨らんでいくのです。出来る範囲内で、いかに楽しんでやるか。
そしてコロナの時代が終わった時、たくさんの人と関わり合いながら、音楽の楽しい時間を過ごすことが出来る、その大きな楽しみの為に、今は出来ることをやるだけ。限りある生命だから、せっかくなら楽しみたいじゃないですか。
充子さんのお話をお伺いしていると、ワクワクした気持ちが伝わってきて、こちらにもエネルギーが湧いてきます。
今後こういうことをしたいという目標や夢などお聞かせ願いますでしょうか。
私自身は音楽の力が必要な場所へ音楽をお届けする活動は、震災後からずっと続けてきています。活動を続けていくことで本当にいろんなつながりの輪が広がり、「また来てね」と声をかけてくれる方々がコンサートホールではなく、介護老人福祉施設、病院等、音楽の力で寄り添うことのできる人たちのもとへ出向いて行って一緒に懐かしい日本の歌を一緒に歌ったり、お話をすることでとにかく喜んでもらいたいんです。
そしてクラシックファンとそうではない方との隔たりを埋めて、もっと音楽を身近なものにしたいです。コンサートっていうと何を着ていったらいいかしら‥とか、かしこまってしまう方が多いですが、普段着でも楽しめるようなコンサート、歌声喫茶みたいなものがあったら良いななんて思っています。まだまだやりたいことはたくさんあります!!!
楽しみにしております!!本日はどうもありがとうございました。
インタビュー形式での記事をスタートしてから2度目の夏がやってまいりました。
依然としてコロナは無くなっておらず、相変わらず自粛生活を強いられておりますが、その中でどう希望を持ってしなやかに生きていくか、そのヒントが充子さんのインタビューの中には多くあったように思います。
心身ともに健康で、皆様と笑顔でお会いできる日が一日でも早く来ますように。
インタビュアー 村上 千秋